第42代 理事長 


2012年度社団法人
焼津青年会議所

理事長
石 川 真
Makoto Ishikawa

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2012年度 理事長所信

今、再び立ち上がる時
 終戦直後、荒廃したまちを目にした青年が、我が国日本の再建を使命とし立ち上がった。戦後復興に取り組むと共に、その先にある「明るい豊かな社会」の実現に向けて激動の時代を生き抜いてきた先輩たちがいた。これが、我が国の青年会議所運動に灯がともった瞬間である。その後、高度経済成長を経て経済大国となった日本であったが、バブル経済の崩壊と共に成長は止まった。そればかりか、失われた20年の間に多種多様な問題を抱える国となってしまった。
 そして、2011年3月11日に東日本大震災が発災した。震度7を観測した猛烈な揺れ、そしてまちを一瞬にしてのみこんだ巨大津波の映像は、目を覆うほどの悲惨な光景であった。被災地は東北地方を中心に広範囲にまたがり、命を繋ぐために全国各地から支援の手が差しのべられた。被災者は不便を強いられながらも一日一日を力強く生き抜いている。そして発災から数ヶ月が経過した今、少しずつではあるが確実に、復興に向けての足音が聞こえているように感じる。海に面する焼津では、今回の大震災による直接的被害は無かったが、経済活動の停滞という間接的被害を受けている。そして何より、誰しもがこの大震災を「他人事ではない」と感じたと思う。今後予想される東海地震、そして大津波のことを想像したのではないだろうか。
 様々な問題があり不安な今日ではあるが、志半ばで亡くなられた被災者の事を思えば、我々は「生きている」ことに感謝すべきである。その感謝の気持ちを、青年ならではの英知と勇気と情熱に変え、まちの諸問題に正面から立ち向かおう。活気ある焼津の姿を常にイメージしながら、今を生きる我々の行動が起点となり、我がまち焼津に、そして焼津から日本に元気を発信していこう。社団法人焼津青年会議所において、先輩たちがこれまで積み上げてきた歴史を大切にしながら、2012年度が起点となり変革を遂げるきっかけとなる1年になるように運動を展開していこうではないか。

まちづくりに必要な要素
地域活性化に必要とされるキーワードとして「若者、馬鹿者、よそ者」という事が言われている。まちを想い運動を展開している青年会議所においては、これらの要素を意識していく必要があると私は思う。
若者とは、単純に青年世代を示すものではなく、精神的に若い気持ちを持った者である。地域活性化におけるポテンシャルを持つものが若者であるという解釈ができる。20歳から40歳までの青年経済人で構成される我々青年会議所においても、十分に備わっているものであると確信している。
そこで私が特に注目したいのは、「馬鹿者、よそ者」の要素である。時代の流れが速い昨今、柔軟な発想をもとに奇抜的なアイデアを求められる事が多い。そのような中、既成概念にとらわれずがむしゃらにチャレンジするのが馬鹿者である。そして、地域の人たちが当たり前と思っている既成概念や本来価値があるものを客観的な角度で見極め、地域内でのしがらみがないからこそ自由な発想、行動ができるのはよそ者である。
 焼津市民には、「言葉はきついが気は優しい」「困った人を放っておけない」「細かい事を気にしない」という気質があると言われている。そして、時代が移り変わったとしても、先祖から引き継がれてきた「郷土を誇りに想う気持ち」は失われていないと信じている。これらは、まちの活性化のために最も必要な要素である。しかし保守的な性格から、客観的な意見を受け入れにくいという点も、焼津市民の性格であると私は感じることがある。
まちにある風景も、このまちで生活する人も、昔から変わっている。今までと違う視点から「郷土を誇りに想う気持ち」を育むことが、我がまち焼津に今必要とされることであると考える。
青年会議所は、単なる若い世代の集まる団体であってはならない。我々の考えが市民と隔たりがあってはならない。我々の運動、行動は常に地域から評価されている事を忘れてはならない。この地域に今何が必要とされているのか的確に分析し、失敗を恐れず積極果敢に行動していく事が大切であると考える。

残心を大切に
 私は小学生の時、少林寺拳法の道場に通っていた。少林寺拳法の修業は技を習得し体を鍛えるだけでなく、困難にもくじけない精神を養うものであった。その中で教えていただいたのが「残心」である。
 残心とは、心が途切れないという意味である。一つの動作を終えた後でも緊張感を持続する心構えのことであり、主に武道、芸道で使われる言葉である。武道では、技を終えた後にも相手の動きから目を反らさずに構え、油断をしない動きであり、芸道では舞踊の余韻、茶道のおもてなしがそれにあたる。
 青年会議所の運動においても、残心を大切にすべきであると私は考える。議論する場面においては、言いっぱなしではなく責任ある発言をするべきである。運動を展開する場面においては、運動の目的を忘れずに責任を持って行動し、やりっぱなしではなく最後まで気持ちが途切れないようにしなくてはならない。我々青年会議所メンバーが責任ある行動をすれば、市民に我々のまちに対する想いが伝わると考える。
 更には、残心の考え方が継続される事は、単年度で運営される青年会議所においても将来へとつながるものになっていくと私は考える。

夢と希望に満ちたまちへ
 我々は、今を生きる中心世代であると共に、将来を生きる子どもたちの成長を見守り、夢と希望に満ちたまちを創り上げていくための責任世代である。しかしながら、多種多様な問題を抱えてしまった現代社会の中で、責任世代である我々が時代を大きく変えることは簡単ではない。
では、このまちの将来の為に、将来を生きる子どもたちの為に、今を生きる我々は何をすべきか。それは、我々世代が子どもたちの模範になり、背中を見せながら生きていくことであると考える。
 そんな中、2011年ドイツで開催されたサッカーの女子ワールドカップで、日本代表「なでしこジャパン」が初優勝を成し遂げた。今まで何度対戦しても勝利を収めることができなかった相手に、最後まで諦めることなく積極的な試合運びをした事が、今回の素晴らしい結果に結び付いた一番の要因であったと思う。そして、大震災の影響で暗い話題の多かった日本中が、希望に満ちた瞬間であった。
 諦めない限り、可能性はゼロではない。今できる事を確実に一つ一つこなしていく姿を子どもたちに見せていくこと、そして子どもたちに責任ある大人の姿を伝えることができれば、日本の、そしてこのまちの将来は明るいものになると信じている。

必要とされる組織であるために
 公益法人法が2008年12月1日に改正された。公益法人とされていた全ての団体が、移行期限である2013年11月30日までに、公益社団法人、一般社団法人、解散を選択しなくてはならない。そんな中、社団法人焼津青年会議所においては、法改正前の2007年度から公益法人制度改革に向けた取り組みをスタートした。2011年度の第81回通常総会において公益社団法人移行に関する決議を行い、会員の賛成多数により可決承認された。
総会決議を経て主務官庁とのセッションを開始し、移行手続きに向けての本格的な準備が開始された。実際にセッションを進めていく中で直面した課題はあるが、2012年度はその職務を引き継ぎ、移行されるまで責任を持って対応するのが使命であると考える。
 ここで忘れてならないのは、我々の運動目的が公益社団法人を取得する事ではないという事である。先輩たちから41年間続いてきた地域社会の発展のための運動を引き継ぎ、我々の存在意義を明確にした上で、未来永久的にバトンを引き継ぐための手段を選択したという事である。
公益社団法人焼津青年会議所への移行を選択する事により、事業費比率の制限、情報公開、コンプライアンスの厳格実施などにも対応することが義務付けられるが、市民と向き合い地域のニーズに的確に対応し、そして常に進化していくことで、まちに必要とされ続ける組織になることが重要なのである。

結びに〜2012年度を共にする仲間へ〜
青年会議所メンバーである前に、社会人であり、大人であり、親である。一人ひとりが家族、地域、会社に支えられている。感謝の心を忘れてはならない。
市民の青年会議所に対する評価は、全てが素晴らしいものではない。どんな評価も真摯に受け止め、自らを律する事を忘れてはならない。
青年会議所メンバーでいられるのは、40歳までである。限られた時間の中で、共に歩む仲間と本気になって語り合い、一生懸命になって行動し、最高の汗をかこう。

メンバー一人ひとりの人生における「起点になれ!」
メンバー一人ひとりがまちのために「起点になれ!」
社団法人焼津青年会議所が未来に繋がるための「起点になれ!」